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価値を失ったジンバブエドルに変わり人民元を法定通貨に決定とは? [出来事]


100兆ジンバブエドル紙幣


アフリカのジンバブエが、国内で使える通過として
中国の人民元を採用すると発表しました。

これってどういうことなのかよくわからないので
調べてみました!

そもそもジンバブエってどういう国?


国名:ジンバブエ共和国
人口:1372万人(2012年調べ)
首都:ハラレ
国土面積:390,580 平方キロメートル


日本とほぼ同じくらいの国土に、日本の人口の10%の人たちが
生活しています。


一人当たりのGDP(国民総生産)は約1000ドルですので、
アフリカ諸国の中でも貧しい国だと言えます。


ちなみに日本は約32500ドル。中国は約8300ドル
となっています。


主な産業はかつて農業鉱業工業とバランスよく繁栄していた
のですが、民主化によりそれまで実権を握っていた少数派の白人から
黒人政治家が増える過程で、ノウハウを持つ白人が国外流出してしまい
作物の収量は激減。


これが外貨不足をもたらし、さらには工業にも打撃を与えてしまい、
経済は極度に悪化てしてしまいます。


極度なハイパーインフレに苦しむ!


2007年には通貨ジンバブエドルが世界で最も価値の低い
通貨ワースト5に選ばれるなど、いわゆる超ハイパーインフレ
の状況におちいってしまったのです。


あらためて、ジンバブエのハイパーインフレがどれくらい
凄まじかったかと言いますと、、、


ジンバブエは、前述のように農業が崩壊して、物が不足して
いるにもかかわらず、政府が次々と紙幣を発行したものです
から、モノの価格は上昇し、貨幣の価値がめちゃくちゃ下がって
しまったのです。


ちなみにこの当時、500mlの牛乳が600億ジンバブエドル。
パン1斤買うのに以前は1ジンバブエドル程度だった価格が、
3000億ジンバブエドル払わねばパンが買えなくなってしまい
ました。


もうこれ尋常じゃないですよね、、、


山ほどの紙幣を銀行に持って行っても、1米ドルの価値しかない
なんて、「紙くず同然」というより、もはや「紙くず」のほうが
価値があるようなものです。


このような状態ではさすがに国民の経済活動は立ち行かなくなり、
ジンバブエの中央銀行は大幅な通貨の切り下げ、
いわゆるデノミネーションを実施します。


この時の切り下げは、100億ジンバブエドルが1ジンバブエドルに
しました。


しかし、これでもインフレは止まらず2009年には年間のインフレ率が
約2億3000万%に
達してしまいました。



こうなると実際ジンバブエドルを利用しようという人や企業はなくなり、
実質的にジンバブエ政府は信用を完璧に失い、米ドルや南アランド、
それにユーロといった外貨の国内流通を公式に認め、公務員の給与も
米ドルで支払うことにしました。



その後2014年には日本円や豪ドル、インドルピー、中国人民元を加え、
計9つの通貨を法定通貨としています。マルチカレンシー、いわゆる
通貨バスケット制度の導入でした。



そして今年(2015年)6月には、自国通貨であるジンバブエドルを
全面廃止して米ドルに両替して、9月までに回収するとしていました。


こうした中、ジンバブエ政府は、あらためて中国の人民元を自国の
法定通貨にすると発表したもので、特別新たなことではないと思われます。


今月初めに習近平国家主席がジンバブエを表敬訪問した際に、中国が
ジンバブエに対する債権4000万ドル、日本円で約48億円を帳消し
にするという手土産に、お返ししたと思われます。


中国は人民元の世界的なブランド戦略に熱心ですので、実績作りの
つもりかもしれませんが、自国通貨を捨てなければならなないほどの
国ジンバブエが法定通貨にしたということを評価する国や組織は少ないと
思われます。
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